
ミノンシャンプーには低刺激の気泡剤、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(別名:コカミドDEA)が配合されており、発ガン性物質の疑いがあると指摘されています。
ただ、なぜそのように言われているのか、理由を知りたいですよね。
たとえば、体に必要な水でも摂取し過ぎると死に至ることもあります。これはどんなに良いと言われているものでも扱い方を間違えると毒になる、という証です。
そのため、正しい知識をもってシャンプーを使うことが重要なのです。
そこでこのページでは、研究結果をもとにヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドの真相に迫ります。
また、「どんな場合に使うと効果的なの?」といった疑問にもお答えしています。
正しい知識を身に付けたあとは、あなたに合ったシャンプーを使ってフケかゆみを止めていきましょう。
Contents
1.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドの研究結果

ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(別名:コカミドDEA)の人に対する発ガン性の因果関係について、開示されている情報を詳しく見ていきましょう。
1-1.国際がん研究機関では「疑いがある」ランクに指定
国際がん研究機関(IARC)では、コカミドDEAをランク2b(グループ2B)に指定しています。
これは、5段階評価のうちの3段階目である「発ガン性の疑いがあるレベル」になっています。

出典:農林水産省;国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん分類について

ラットを使った実験結果からそのように判断されていますが、「どういった内容で研究されたか」の詳しい情報は開示されていませんでした。
もう少し詳しく調べてみたところ、日本医薬品添加物協会による研究内容と結果がありましたので、そちらを参考に見ていきましょう。
1-2.マウスでの研究方法と結果
研究方法として、コカミドDEAの配合率が4%の一般外用剤をエタノールと混ぜて溶かし、0.05%の濃度にしてマウスに週5回104週間(約2年)にわたり皮膚に投与しました。
その結果、癌腫発生にわずかな増加が見られたとあります。
ただ、発ガン性については”あいまい”で締め括っています。
まとめてみると、2年間のマウスにおける新たにガンができる”発ガン性”は確認できなかった。と受けとることができるのではないでしょうか。
(※これはあくまでゲッ歯類のマウスにおける実験であり、ヒトである霊長類とは体の構造が違うため必ずしも同じ結果になるわけではないようです。)
参考:電磁波の健康影響講座:IRACの発がん性が2bから3にランクダウンした例
ただ一番気になるのは、塗布した量と、その状態でどれくらいの時間置いたのかが記されていません。
たとえば、シャンプーをする時は頭皮が濡れている状態のため、濃度は薄まります。そして洗っている時間は、髪の長い人でも5分位です。
そういったことからも、試験結果から見るコカミドDEAの発ガン性と、普段私たちがするシャンプーを結びつけて考えるには正確な判断がしにくいといったところではありますね。
2.人の奇形が確認されたサリドマイドは販売中止に

「疑い」ではなく、本当に人体に害として影響がでた場合、即座に販売中止になります。
その1つに、サリドマイドがあります。
サリドマイドは、1960(昭和37)年代に販売された胃腸薬に配合されていました。
妊娠初期のつわりを止めるために服用者が増え、その妊婦さんから生まれた子供に腕や脚がなかったり、耳の奇形が多く見つかったため大きな社会問題となりました。
1961(昭和38)年に販売中止になりましたが、その後も多くの犠牲者を出す残酷な結果をまねいてしまったのです。
参考:公益財団法人いしずえ:サリドマイド事件の概要と被害者の今
このように、人の生命環境を汚染してしまうほどの物質が確認された場合、即座に販売中止となるのが現状です。
ただし、以下引用のように癌(がん)の1つである多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)に効果があることがわかりました。
2008年に多発性骨髄腫に対する治療薬として再承認されました。
現在では、男女共に避妊をして子供をもたないことが絶対条件といった厳しい管理の中、使用されることもあります。
サリドマイドの例からわかるのは、正しい知識を身に付けて、目的に合った使い方と容量を守って使うことが大切ということが理解できますね。

洗いかたとすすぎ方の正しい方法は、以下の記事をご覧ください。
- 洗いかたの記事はこちら
- すすぎ方の記事はこちら
3.ミノンシャンプーでできる2つの頭皮ケア
ミノンシャンプーの有効な使い方を、有効成分と配合成分から詳しく説明していきます。
3-1.乾燥とかゆみが気になる人向き

ミノンシャンプーの界面活性剤(かいめんかっせいざい:泡立ちを良くさせる成分)は、以下の4つが配合されています。
- ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸TEA液
- ラウロイルメチル-β-アラニンNa液
- ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液
- ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
これらの成分は保湿(ほしつ:肌の水分を保つ)に優れており、乾燥を防いでくれます。
ただ、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液はベタつきを感じる場合もあるため、髪が細い人や油分が多い頭皮には向いていません。
また、有効成分にグリチルリチン酸ジカリウムが配合されています。
この成分は甘草(かんぞう)という薬草の根から摘出される成分で、炎症をおさえる働きがあります。
ミノンは、乾燥によって頭皮に炎症が起きているかゆみを鎮めてくれる効果が高い商品です。
なお、ミノンシャンプーに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
3-2.脂漏性皮膚炎完治後のケアとして使用

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮のフケかゆみがひどくなる頭皮の病気です。
その要因の1つとして、マラセチア菌(カビの一種である真菌)の増えすぎがあります。
この場合自然治癒は難しいため、私のフケかゆみを止めてくれたコラージュフルフルがオススメです。
脂漏性皮膚炎の症状がおさまったら、炎症をおさえるミノンシャンプーでかゆみを抑え、引っかいて頭皮に傷をつけてしまわないように気をつける、といった使い方をしていくと良いでしょう。
脂漏性皮膚炎については、以下の記事にて詳しく触れています。
まとめ
ミノンシャンプーは、低刺激でかゆみをおさえる優れた商品です。
1日1回の使用と容量を守っていれば、発ガン性についての心配もほとんどありません。
あなたの毛髪が健康であるには、その土台となる頭皮の清潔を維持することが重要です。
シャンプーに対する不安を取り除き、心も髪も健やかに育てていきましょう。