
市販の薬用シャンプーはたくさん種類があって、迷いますよね。
また、商品によっても配合されている有効成分が異なるため、「どのような違いがあるのか」が分かりにくいものです。
そこで調べてみたところ、”薬用(医薬部外品)”として店頭販売されているシャンプーのフケかゆみの有効成分の多くには、以下のものがあることがわかりました。
- グリチルリチン酸ジカリウム
- イソプロピルメチルフェノール(シメンー5ーオール)
- ジングピリチオン
- サルチル酸
- オクトピロックス(ピロクトンオラミン)
- ミコナゾール
ただしこれらは、におい・にきび・ふけ・かゆみといったように作用が異なるのです。
そこでこのページでは、13種類の市販薬用シャンプーを有効成分別にまとめて解説しています。
まずはじめに、人気の高い「オクト」と「ミノン」についてお伝えしていきます。
また私自身があらゆるシャンプーが合わなかった経験から、フケかゆみの原因となる”マラセチア菌(真菌でカビの一種)”対策をして頭皮の改善ができたシャンプーについてを、各々の記事にてお話していますので合わせてご覧いただけますと幸いです。
コスパ最強で人気の高いオクト
オクトは、安価で人気の高い市販の薬用シャンプーです。
フケかゆみの成分として、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)が配合されています。
その作用は皮脂(ひし:頭皮のあぶら)の酸化を防ぐため、頭皮からでるアブラぎったにおいを抑えてくれます。
フケかゆみの気になり始めに手に取ることが多い商品です。
低刺激で頭皮のケアができるミノン
ミノンは、”低刺激な市販薬用シャンプー”という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
ミノンにはサルフェートフリーという言葉が使われていますが、これは配合されている洗浄成分に洗浄力の強すぎるラウレス(ラウリル)硫酸(りゅうさん)ナトリウムを使っていないことから、そのように言われています。
ミノンのフケかゆみの有効成分には、グリチルリチン酸(さん)ジカリウムが使用されており、炎症から来るかゆみを鎮めてくれます。
低刺激でかゆみを抑えることから、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん:フケかゆみが半年以上続く、頭皮の病気)が治まったあとのケアとして使用されることが多い商品です。
有効成分別で市販薬用シャンプーを解説
ここからは、フケかゆみの有効成分別でシャンプーの解説をしていきます。
有効成分には、1つの商品に1つ配合されているものから、3つ配合されているものもあります。
たとえば、オクトは有効成分の配合が1つですが、nov-m(ノブ-エム)の場合は3つです。
有効成分別に振り分けてあることから、繰り返し出てくる商品もあります。
グリチルリチン酸ジカリウム配合のシャンプー
グリチルリチン酸(さん)ジカリウムは、かゆみを抑える成分です。
頭皮に炎症が起きると、それを察知した神経が「頭皮に異常が起きていますよ!」というサインを”かゆみ”として私たちに知らせてくれます。
かゆみは、頭皮が荒れるといった”炎症“が起きると発生します。
かゆいところがあると無意識に引っかいてしまいますよね。それを繰り返すと頭皮に傷がつき、さらに炎症が起きる悪循環を招きます。
そうならないようにする成分が、グリチルリチン酸ジカリウムです。
イソプロピルメチルフェノール配合のシャンプー
イソプロピルメチルフェノールは、シメン-5-オールとも呼ばれます。
その効果は、においに力を発揮します。身近なものでいうと、制汗剤といった脇スプレーによく使用されます。
また殺菌作用も強く、細菌である「結核菌」を死滅させるほどです。
ジングピリチオン配合のシャンプー
ジングピリチオンは、細菌である緑膿菌(りょくのうきん)を殺菌します。
緑膿菌は主に水回りに多く存在していますが、人のヒフに感染するとニキビといった発疹やできものになるのです。
それを防ぐために、ジングピリチオンが使用されます。
ただし、この成分は魚の奇形を生み出すことが確認されており、生態系を狂わせる”環境ホルモン”であることから、日本では有害物質に指定されています。
サルチル酸配合のシャンプー
サルチル酸(さん)にはピーリング作用があります。
ピーリングとは、角質剥離(かくしつはくり:余分なヒフをはぎ落とす)のことです。
頭皮に異常が起きると、本来ならば目に見えない垢(あか)として自然に剥がれ落ちる皮膚が、そのまま残ってしまうことがあります。その古くなったヒフがまとまってふけとなります。
それを取り除くために、ピーリング作用で皮膚を柔らかくし、余分な垢を落としやすくしてくれるのです。
オクトピロックス配合のシャンプー
オクトピロックスは、においを予防することに優れています。
頭皮からでるニオイの原因は、皮脂の酸化(さんか:酸素に触れて別の物質に変わる)です。それが頭皮上で起きると脂ぎったニオイとなります。
ただ、頭皮は常に空気中にある”酸素”に触れているため、酸化を防ぐことはできません。
シャンプーをしてきれいになった頭皮でも、皮脂は24時間経つともとの量に戻る性質があるため、ニオイを完全に断つのはほぼ不可能です。
少なからずニオイはあるものの、気づかないほどに軽減させてくれる成分がオクトピロックスです。
ミコナゾール配合の薬用シャンプー
ミコナゾールは、カビの仲間の真菌(しんきん)であるマラセチア菌を抗菌(こうきん)します。
“殺菌”とは違い、本来の必要な分の菌だけ残し、菌を増やしすぎないようにバランスを取る働きをするのが抗菌です。
マラセチア菌が増えすぎるとヒフを溶かす作用が高まり、それが原因で頭皮に炎症が起きるためフケかゆみを招きます。
ただし、マラセチア菌を抗菌できても、冷涼感でかゆみを軽減させるメントールが配合されている商品が市販の薬用シャンプーには多いです。
それが刺激となって頭皮を悪化させることもあるため、注意が必要です。
まとめ
市販の薬用シャンプーの”フケかゆみの有効成分”として配合されているものには、におい・ニキビ・かゆみ・ふけといったように、有効成分によって作用が違います。
作用ごとに有効成分をまとめると、以下の表になります。
作用 | 有効成分 |
---|---|
におい | |
にきび | |
ふけ | |
かゆみ |
また、以下の表は商品ごとの作用を示しています。
※表は、右から左へスクロールできます
有効成分の効果 | 商品名 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
オクト | ミノン | メディクイック | スカルプD (ダンドラフオイリー) | サクセス (エクストラクール) | クリア (ディープクリーン) | メリット | h&s (スカルプEX) | ウルオス | デオウ (スカルプケア) | マーロ デオスカルプ | キュレル | ノブ (nov-m) | ||
![]() | ![]() | |||||||||||||
配合数 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 3 | |
におい | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | におい |
||||||
にきび | ○ | ○ | にきび |
|||||||||||
ふけ | ○ | ○ | ○ | ふけ |
||||||||||
かゆみ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | かゆみ |
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ひとことに”フケかゆみの有効成分”といっても、におい・にきび・ふけ・かゆみと分かれているため、商品によって効果が見込める作用は大きく異なります。
あなたの頭皮の状態を見極め、症状に合ったシャンプーを選んで改善していきましょう。
また刺激となりやすいメントールの配合の有無や、洗浄成分の質も合わせて見ていくと、有効成分の作用はさらに高まります。