毎日シャンプーをしっかりとしているにもかかわらず、フケやかゆみが治まらない場合、湯シャンが効果的です。
湯シャンとは、シャンプー剤を使わずにお湯だけで洗髪(頭と髪を洗う)することです。湯シャンは、皮脂分泌量のバランスを元に戻す目的で行います。
あなたの頭皮に合わない、洗浄力の強いシャンプーを使いつづけると、皮脂を取りすぎてしまいます。その結果、皮脂分泌(頭から出るあぶら)量が増減し、フケかゆみのもととなってしまうのです。
そのため、正しい手順で湯シャンをすると、フケかゆみを止める効果があります。
湯シャンで得られる効果は、乾燥フケタイプ・脂性フケタイプによって違いがあります。また、効果が得られない場合もあるため、その対処法も記述しています。
このページでは、それぞれの湯シャンの効果と、具体的な手順を紹介させていただきます。
はじめに、「湯シャンの効果」、次に「正しい手順」を順に解説していきます。
Contents
1.湯シャンの効果は、皮脂分泌量のバランスを整えフケかゆみを止める
湯シャンの目的は皮脂分泌(頭から出るあぶら)量を正常に戻すことです。そのため、頭皮が荒れていなければ、あえて湯シャンをする必要はありません。
実は、洗浄力の強いシャンプーを使い続けると、必要な皮脂まで取り除かれます。
その結果、頭皮が危険を察知し、皮脂分泌量に変化を起こすため、フケが目に見えるようになってくるのです。
フケには、以下の2つのタイプがあります。
- 乾燥フケタイプ
- 脂性フケタイプ
まずは、皮脂分泌量が不足する「乾燥フケタイプ」から解説します。
1-1.乾燥フケタイプは頭皮の乾燥がおさまる
乾燥フケタイプは、皮脂分泌量の不足によってフケが出ます。文字通り、乾燥によるフケです。
見分け方としては、粉っぽく、パラパラと落ちるフケの人は、乾燥フケタイプです。
乾燥フケタイプの場合、洗浄力の強いシャンプー剤を使うと、皮脂が余分に取られてしまいます。そのため、常に皮脂不足となり、フケが出てしまうのです。
そこで、湯シャンを行うことで、シャンプー剤による皮脂の取りすぎを防ぐことができます。これにより、頭皮の乾燥がおさまり、フケかゆみを止めることにつながります。
1-2.脂性フケタイプはべたつきが出やすい
脂性フケタイプとは、乾燥フケタイプと違い、皮脂分泌量が多すぎる場合に出るフケです。そのため、湿っぽく、油っぽいかたまりが特徴です。
皮脂が足りなくなると、頭皮を守るために皮脂分泌が多くなります。その活動が活発になりすぎると、過剰に皮脂分泌が行われ、頭皮がベタつきやすくなります。
一時的に皮脂分泌が過剰になり、その後落ち着いていくケースもあるため、しばらくは様子を見てもよいでしょう。
脂性フケタイプの人が湯シャンをすると、皮脂が落としきれないことがあります。その場合、フケが増えたり、かゆみが止まりません。さらには、臭いまできつくなってくることもあるため、湯シャンを中断しましょう。
真菌(カビの一種)が原因と考えられるため、湯シャンでは対処しきれないこともあるからです。

1-3.真菌(カビの一種)が原因のフケかゆみには、抗菌薬配合のシャンプーが必要
皮脂分泌が過剰に行われ、その後もベタつきが落ちつかない場合は、真菌(カビの一種)が異常繁殖していることが考えられます。
特に、マラセチア菌(真菌の一種)が繁殖していると、乾燥や脂性以外のフケやかゆみが発生します。この場合、湯シャンや市販のフケ用シャンプーでは治まりません。マラセチアが原因であるため、この活動を抑制しなければいけないからです。
そのまま放置しておくと、脂漏性皮膚炎といわれる頭皮の病気になる場合があります。
もし、べたつきが一向になくならない場合は皮膚科を受診しましょう。真菌が原因である可能性が高いです。
また、真菌(カビの一種)が原因の場合、抗真菌作用のあるコラージュフルフルネクストが最も効果的です。マラセチア菌の繁殖を抑え、頭皮を正常に戻すことができます。
マラセチア菌によるフケやかゆみに関する詳細は、以下のコンテンツをお読みください。
2.湯シャンの正しい手順は「濡らす前のブラッシング」からはじまる

湯シャンを行う際、「濡らす前のブラッシングからはじまる」と言っても過言ではありません。ブラッシングは、髪をとかすことです。
そう断言できるほど、湯シャンの前に行うブラッシングは、湯シャンを行う上で欠かせないのです。まずは、ブラッシングの効果を見て、やり方を確認していきましょう。
2-1.「濡らす前のブラッシング」をしないと湯シャンの効果は得られない
「髪をクシでとかす」というと、髪の毛をとかすことをイメージします。
しかし、同じ髪をとかすことであっても、ブラッシングは髪よりも頭皮・地肌をほぐすことが目的です。
ブラッシングには、頭皮の血行を良くする効果と、汚れやほこりを頭皮から浮かす効果があります。美容室へ行くと、シャンプー前にブラッシングするのは、この2つの理由があるのです。
ブラッシングは、頭から離さないように、しっかり頭皮にくっつけたままクシを動かすのがコツです。
ただし、力を入れすぎず、「気持ちいい」と思うくらいの力加減にしましょう。頭皮を傷つける恐れがあるからです。
クシの形は、細いコーム型では力が一点に集中しすぎるのでおススメできません。
できれば、力が均一に加わる、幅広のクッションブラシが向いています。

2-2.「37度のお湯」で「地肌を3分」流し続ける
皮脂が落ちる温度は、34度から40度が適温です。
人の平均体温は36度から37度が多いです。そのため、体温と同じくらいの37度のお湯が最適であるといえます。
しかし、冬の寒い季節にぬるく感じるときは、お湯の温度を高めの40度前後で洗い流します。
お湯が地肌にまんべんなく行き渡ったら、指でマッサージして頭皮をほぐしながら洗っていきましょう。イメージとしては、直径20㎝のゴムボールをつかむように、指を動かしマッサージします。

このとき、爪を立てないように注意してください。爪を立ててしまうと頭皮に傷がつくおそれがあります。
このようにして、地肌をマッサージしながら、最低3分は洗い流し続けましょう。
2-3.「ドライヤー」を使って「髪の根元」を乾かす

濡れたままでいると、雑菌が繁殖しやすくなります。においのもとにもなるため、湯シャン後はすぐに乾かしましょう。
ドライヤーで乾かす前に、タオルドライ(タオルで頭皮と髪の水分を吸い取る)をしっかり行います。ぽたぽたしずくが落ちている状態では、ドライヤーで乾かすには時間がかかります。
そのため、タオルドライで髪の根元の水分をしっかり拭き取ったら、毛先はこすらず、タオルで包むように水分を吸い取ります。
髪の毛は8割温風で乾かした後、毛先をとかしながら冷風をあてて仕上げると、髪のまとまりも良くなります。
3.湯シャンでフケかゆみがおさまらない場合の3つの対処法
正しい湯シャンをしても、フケかゆみがおさまらない場合もあります。その場合の対処法として、以下の3つがあります。
- 自然素材の酢で抗菌して、フケかゆみを抑える
- 湯シャンと湯シャンの間に、シャンプーで洗う日を作る
- カビが原因のフケかゆみには、抗菌薬配合のシャンプーで頭皮を健康に戻す
順に解説していきます。
3-1.自然素材の酢で抗菌して、フケかゆみを抑える
下記引用のように、酢には、「防腐効果・抗菌効果」があります。
酢の効果には食物の腐食を遅らせる効果があります。また、酢に漬けておくとほとんどの菌は死滅することがわかっています。ですから、酢は食用として使用するばかりでなく、野菜や魚を洗う時にでも薄めた酢水で洗うと雑菌の増殖を防ぐことができるのです。
そのため、湯シャンの仕上げとして自然素材の酢を使い、雑菌を抗菌することもできます。
ただ、酢をそのまま頭皮につけると、酢のにおいが気になります。湯シャンの仕上げとして使うときは、少量の酢をお湯で薄めて頭皮と髪につけて使用しましょう。
3-2.湯シャンと湯シャンの間に、シャンプーで洗う日を作る
湯シャンだけで乗り切ろうとすると、ストレスになります。この先ずっと湯シャンを続けようとするのではなく、間でシャンプーを使って頭を洗う日を入れてみましょう。
たとえば、運動会で一日外にいた日は、普段よりも汚れがついています。また、ヘアクリームなどの整髪料を使った日は、湯シャンだけでは汚れが落としきれません。この場合はシャンプーで余分な皮脂を落としてあげましょう。
私が湯シャンをした経験では、湯シャン開始3日目でかゆみを伴う湿疹ができました。そのため、シャンプーを使って洗髪しました。

3-3.真菌(カビの一種)が原因のフケかゆみには、抗菌薬配合のシャンプーで頭皮を健康に戻す
もし、湯シャンで解決しない場合、先に解説した通り「マラセチア菌」が原因である可能性が高いです。カビが原因のふけかゆみには、抗菌薬配合のシャンプーを使い、真菌の繁殖を抑えましょう。
細菌よりも真菌(カビ)は生命力が強く、さらに、繫殖力も頑強です。そのため、真菌を包む膜(まく)を破壊する薬が必要です。
その効果がある薬に、ミコナゾール硝酸塩(しょうさんえん)があります。ミコナゾール硝酸塩は真菌の異常繁殖を抑制させるため、マラセチア菌の繁殖を抑制できます。ミコナゾール硝酸塩配合の「コラージュフルフルネクスト」で抗菌し、頭皮を健康に戻しましょう。
私のおすすめは「コラージュフルフルネクスト」というシャンプーです。
名前はかわいらしいですが、皮膚科でマラセチア菌が原因と診断されると、このシャンプーをすすめられます。もし、湯シャンをしてもフケかゆみが治まらない場合、ミコナゾール硝酸塩が配合されたシャンプーを使用してみましょう。
あらゆるフケ・かゆみ用シャンプーを使っても治まらなかった人でも、違いを実感できるはずです。
まとめ
フケかゆみを止める湯シャンは、濡らす前のブラッシングを欠かさずに行いましょう。
昔は「フケとり」という施術が美容室で行われており、頭を洗わなくても清潔に保つ方法がありました。
しかし、今ではほとんど行われていないため、あなた自身で解決する必要があります。
湯シャンのみでのりきろうとはせずに、整髪料をつけた日は必ずシャンプーを使い、汚れをしっかり落とすことが大切です。
また、カビが原因の場合にはミコナゾール硝酸塩配合のシャンプーを使用し、頭皮の状態を健康に戻すことを最優先に考えましょう。