赤く炎症を起こし、強いかゆみとべたつくフケが出ている場合、脂漏性皮膚炎(しろうせいふひえん)かもしれません。普通のフケかゆみとは違い、脂漏性皮膚炎は慢性化する頭皮の病気だからです。
たとえば、頭皮が赤く、湿疹がでてジクジクしている場合も脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。
ただ、脂漏性皮膚炎は名前を聞くのも初めてで、具体的にどういった症状かわかりませんよね。
そこでこのページでは、脂漏性皮膚炎の特徴と、症状を解説させていただきます。結論からいうと、マラセチア菌を抑制するには「専用のシャンプー」が有効です。
そのため、脂漏性皮膚炎のフケやかゆみを抑えるのに役立つシャンプー、「コラージュフルフルシャンプー」についても触れていきます。
まずは症状を知り、最適な方法を採用していきましょう。
Contents
1.脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは
脂漏性皮膚炎とは、ひどいフケかゆみの状態が続く、「頭皮の病気」です。
また、脂漏性湿疹と同じ意味です。
厚生労働省が設定した「傷病名マスター」によると、以下の引用のようになっています。
現在日レセの病名マスタでは、6900012脂漏性皮膚炎が廃止により、6900011脂漏性湿疹への移行病名として登録されています。(平成20年3月31日現在)
日本医師会ORCA管理機構より引用
脂漏性皮膚炎が起きる原因は、いまだ不明なことも多いです。
しかし、脂漏性皮膚炎の症状を悪化させる要因の一つに、シャンプーとの関係性があるのも事実です。
その理由について、順に解説していきます。
1-1.脂漏性皮膚炎とシャンプーの関係性

シャンプーを選ぶ基準として、「なんか良さそう」、「これならきっとフケかゆみが治まるだろう」と、想像で決めてしまうのは危険です。
なぜなら、使用するシャンプーと脂漏性皮膚炎には密接な関係があるからです。
あなたの頭皮に合わないシャンプーを使っていると、炎症がひどくなり、脂漏性皮膚炎の症状が悪化していきます。
実は、脂漏性皮膚炎になる原因には、マラセチア菌の増えすぎであることが多いのです。
マラセチア菌は、カビの仲間である真菌の一種です。
頭皮の常在菌(じょうじきん:常にいる菌)であるマラセチア菌は、皮脂(頭皮のあぶら)と湿気(水分)を好んで異常繁殖をします。
そのため、脂漏性皮膚炎を抑えるためには、マラセチア菌を抗菌する必要があるのです。
本当であれば、マラセチア菌の増えすぎを止めなければいけません。
しかし、脂漏性皮膚炎は皮脂が多くでるため、「あぶらをとればいい」と、勘違いしやすいです。
根本を解決できていないため、炎症が治るどころか、悪化する可能性が出てきます。
つまり、皮脂をとるために洗浄力の強いシャンプーを選んでも、脂漏性皮膚炎になる原因の一つである「マラセチア菌」を抑制することはできないから、症状が改善されないということです。
マラセチア菌が増えすぎの脂漏性皮膚炎には、抗真菌成分が配合されたシャンプーを使いましょう。
そのため、マラセチア菌を抗菌する「コラージュフルフルシャンプー」を使うことが必要なのです。
あなたに合わないシャンプーを使い続けると、症状を悪化させます。
しかし、「そのうち治るだろう」と対処しないのも、何も変わらないですよね。
脂漏性皮膚炎の原因にあったシャンプーを使うと、ひどいフケかゆみの症状は改善されていくのです。
2.脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の3つの特徴
脂漏性皮膚炎と自覚できる症状は、以下の3つの特徴があります。
- 毎日シャンプーをしていてもフケやかゆみがおさまらない
- 黄色いベトつくフケ・かさぶたのような塊のフケがでる
- 頭皮が赤く炎症していて、強いかゆみが出る
これらの症状が出ている場合、脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。これはほっておいても治らないため、原因から改善する必要があります。
まずは、これら3つの特徴と解決策をそれぞれ紹介させていただきます。
2-1.毎日シャンプーをしていてもフケやかゆみがおさまらない
毎日しっかりシャンプーをしているのに、フケやかゆみがおさまらない場合、脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。
当事者である私の場合は、「乾燥(水分がなくカサカサしている)か脂性(あぶらでベトついている)か」で悩んでいたため、脂漏性皮膚炎が原因だと夢にも思いませんでした。
あらゆる市販のシャンプーを試してみましたが、全くよくならずに困り果てていました。
たくさんのお金をシャンプーに使ったのにも関わらず、改善方法を見つけられなかったからです。
それでもあきらめずに、いろいろと調べていたら解決方法をがわかりました。
シャンプーの洗浄力の問題や、洗い方が悪いからフケかゆみがとれないのではなく、マラセチア菌の増えすぎが原因だとわかってきたのです。
ただ、「マラセチア菌」がいったいどういうものなのか、イメージしにくいですよね。
そのため、マラセチア菌を「蚊(か)」にたとえてお伝えしていきましょう。
たとえば、蚊に刺されないようにと、肌を水でぬらしたとしても、蚊に刺されることからは防げないですよね。蚊に刺されないようにするには、前もって虫除けスプレーをふっておく対策が必要です。

この虫除けスプレーの役割をしてくれるのが、「ミコナゾール」という抗真菌成分です。
ミコナゾール入りのコラージュフルフルシャンプーで、私の頭皮の状態は、今でも落ち着いています。
毎日しっかりシャンプーをしていても、マラセチア菌を抗菌する成分、「ミコナゾール」配合のシャンプーを使わないと、改善されていかないのです。
2-2.黄色いベトつくフケ・かさぶたのような塊のフケがでる
脂漏性皮膚炎は、フケに特徴が出ます。
あぶらぎった皮脂にホコリや垢(あか)が混ざるため、ベトついた黄色いフケになるのです。
場合によっては、かさぶたのようにへばりつくフケになることの方が多いかもしれません。この症状になると、大きな塊のフケが頭皮にへばりつき、これがはがれ落ちても、また同じように再発します。
以下の画像が参考になります。
たとえば、皮脂を「油のついたフライパン」で考えてみましょう。
油のついたフライパンは、空気中のホコリを吸着して、ますます汚れがたまります。それと同じように、皮脂分泌量(頭皮からでるあぶらの量)が多いと、頭皮からでた垢(あか)やホコリがたくさんつき、ベトついてしまうのです。
大きな塊のフケ、かさぶたのようなフケ、黄色いベトつくフケは脂漏性皮膚炎の可能性が非常に高いです。これを解決するには、抗菌作用のあるコラージュフルフルシャンプーを使い、マラセチア菌の増殖を抑えるしかありません。
2-3.頭皮が赤く炎症していて、強いかゆみが出る
脂漏性皮膚炎の場合、頭皮が赤く炎症をおこし、強いかゆみが出ます。場合よっては、血行がよくなるとかゆみが増すこともあります。
私のケースは、強いかゆみと赤くジクジクした湿疹が出ていました。
赤みやかゆみが出るのは、皮膚のターンオーバ(古くなった皮膚がはがれ落ちるペース)が早すぎて、皮膚の厚みが薄くなるからです。
たとえば、脱皮したてのセミは、まだ体がかわいていません。そのため、外敵から身を守れずに、弱いですよね。
それと同じように、ターンオーバが早まると、新しい皮膚がしっかりでき上がるまえにバイ菌に触れてしまい、炎症がおきやすくなるのです。
頭皮が赤みを帯びていて、かゆみが強い場合は、脂漏性皮膚炎を疑ってみましょう。
3.マラセチア菌を正常活動にする治療が、症状改善と抜け毛を止める
脂漏性皮膚炎は、頭皮の常在菌(じょうさいきん:常にいる菌)のマラセチア菌と呼ばれる真菌(カビの仲間)が増えすぎて起きます。
マラセチア菌は、皮脂を分解して「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)FFA」を作り出します。
「遊離脂肪酸(FFA)」とは、皮脂と水分をなじませる物質です。
本来、遊離脂肪酸(FFA)が皮脂膜(ひしまく:肌を守る膜)となり、頭皮を守っています。

しかし、下記引用のように、増えすぎると害になるのです。
FFAは水と脂肪をなじませる両親媒性という性質をもち、多量に存在すると界面活性作用によって細胞膜を溶かし、細胞を破壊します。
厚生労働省:e-ヘルスネットより引用
遊離脂肪酸の刺激を与え続けると、頭皮の状態が悪くなります。それが抜け毛へとつながってしまうことも考えられるのです。
早めの治療が必要であるため、症状を確認してみましょう。
遊離脂肪酸に関する詳細は、以下のコンテンツが参考になります。
3-1.皮脂で毛穴をふさぎ抜け毛を引き起こす

皮脂分泌量が増えると、毛がぬけやすくなります。毛穴が皮脂でふさがり、毛の生長を妨げてしまうからです。
以下引用のように、皮脂が多すぎると毛の生長が止まりやすくなります。
過剰な皮脂は毛母細胞では栄養過多の様な状態となって毛髪が生長する際の細胞分裂を阻害してしまう。
ヘアドクター発毛科学研究所より引用
たとえば、新芽が出てくるのには柔らかい土が必要ですね。
しかし、土がドロの状態で柔らかすぎると、根もはれず、弱々しい新芽しか生えません。
土がよい状態でないと新芽がしっかりと育たないように、皮脂が多すぎると、毛の成長に適した頭皮を作れないのです。
頭皮を守るために、皮脂は必要です。
しかし、その分泌量が多すぎると、抜け毛を引き起こしてしまいます。
3-2.脂漏性皮膚炎は治療が必要
脂漏性皮膚炎は自力で治せません。
頭皮の病気であるため、病院での治療が必要だからです。
基本的にはステロイドの外用が効果的であり、短期間の外用で改善がみられます。
上記引用のように、病院で治療を受けると症状は改善するのです。
たとえば、骨が折れてしまった場合には整形外科へ行きます。ギブスで固してもらうなどの、状態に合わせた処置をしてもらえば、しっかり治りますよね。

皮膚科によっては、顕微鏡でフケに菌がいるかいなかの検査をしてくれるところもあるので、直接聞いてみましょう。
「脂漏性皮膚炎かも…」と思ったあなたは、一人で悩まず、病院で診察してもらうことをオススメします。

何軒もの病院で診察を受け、ようやく原因が分かったケースもあります。
そのため、菌の検査をしてくれるか、皮膚科へ電話をして聞いてみるのもよいでしょう。
4.コラージュフルフルシャンプーでマラセチア菌を抑制する
現在、脂漏性皮膚炎の生活指導として抗菌剤配合シャンプーでの洗髪が推奨されている
上記の引用の通り、皮膚科では、抗菌剤配合のシャンプーをすすめられます。
また、下記の引用でも分かるように、「さぎのみやクリニック」でも、コラージュフルフルシャンプーはすすめられています。
マラセチアなどのカビに効く抗真菌剤が含まれたシャンプーや石鹸(持田製薬、コラージュフルフルシリーズ)も医薬部外品として薬局で市販されていますので、毎日の使用により予防効果が期待できます。
医師が紹介するシャンプーは、安心して使えますね。
また、コラージュフルフルは医薬部外品の商品であるため、病院で処方された治療薬と併用することができるのです。
医薬部外品の説明に関する詳細は、以下のコンテンツを参考にしてください。
4-1.ミコナゾール硝酸塩がマラセチア菌の増えすぎを防ぐ
コラージュフルフルシャンプーは、マラセチア菌を防ぎます。
配合成分である、「ミコナゾール(ミコナゾール硝酸塩)」が、マラセチア菌を抗菌(害になる菌の増えすぎを止める)するからです。
たとえば、雑草はどんどん増えて、雑草だらけになってしまいます。それを防ぐためには、除草剤をまいておけば、雑草が生えにくい状態にすることができますね。
マラセチア菌が雑草だとすると、除草剤となるミコナゾールで、マラセチア菌の増えすぎを止めることが出来るのです。
そのため、マラセチア菌を抑制し、マラセチア菌を正常活動に戻します。
マラセチア菌をが正常活動に戻ると、頭皮の刺激となる遊離脂肪酸の生産量も正常化するため、症状の緩和へと導くのです。
4-2.正常なマラセチア菌の活動で毛の成長をもとに戻す

正常なマラセチアの活動が維持できると、毛の成長が以前と同じ早さに戻ります。
皮脂の分泌量も正常に戻りやすくなり、頭皮の状態がよくなるからです。
頭皮の中にある皮脂腺(ひしせん)で作られた皮脂は、水分と混じり、皮脂膜が作られます。その皮脂膜によって頭皮は守られています。頭皮が守られていると、マラセチア菌以外の常在菌とのバランスもとれるのです。
そのため、頭皮の状態もよくなり、弱々しく育っていた毛や、抜け毛が減ります。
土と水の、両方のバランスがとれていていると元気に育つ植物と、同じなのですね。
正常なマラセチア菌の活動は、頭皮の状態がもとに戻ります。
その結果、髪の毛の成長も元通りになっていくのです。
まとめ
脂漏性皮膚炎となる要因は、マラセチア菌の増えすぎが原因であることが多いです。
炎症が起きているということは、頭皮が悲鳴をあげているサインです。
かゆみを我慢していると、ストレスから解放されることはありません。
適切な解決方法を見つけるためにも、皮膚科へ行き、菌の有無の診断をしてもらうと良いです。
頭皮が教えてくれるサインを見逃さないようにして、あなたにあったシャンプーを使い日常を快適に過ごしましょう。