マラセチア菌はpH3の酸性である竹酢液で死滅させると効果的?

マラセチア菌 産生

カビの1種である真菌のマラセチア菌が増えすぎると、頭皮やはだのトラブルを引き起こします。

そのため”肌に良い”と言われる竹酢液(ちくすえき)を使って、マラセチア菌を殺菌できたらいいですよね。

実はカビであるマラセチア菌は常在菌(じょうざいきん:常にいる菌)として肌を守る役割をしているため、全ていなくなってしまうと炎症を止められなくなります。

またマラセチア菌を死滅させる条件はありますが、それを行うと人のはだを痛めてしまいます。

そのため、1番重要なのはマラセチア菌の数を最適に保つことなのです。

そこでこのページでは「マラセチア菌には酸性である竹酢液は有効なのか?」ということと、「死滅させる条件では肌を痛めてしまう理由」について解説しています。

そしてマラセチア菌の増えすぎを防ぐ方法についても、私の対策方法を交えてお伝えしていきます。

1.竹酢液は静菌するが死滅しない

ちくすえき

竹酢液はpH(ぺーハー:水素イオン濃度)が2.5~3.5の強酸性であり、たとえば1Lの水に5gの竹酢液をいれて0.5%濃度の希釈液にした場合でも、pH4の強酸性を保ちます。

pHとは、液体を水に溶かしたときに酸性(pH1~6)・中性(pH7)・アルカリ性(pH8~14)のいずれかに当てはまる性質のこと

マラセチア菌の最適活動はpH4.5です。

希釈された竹酢液は、マラセチア菌の最適なpHではないため活動がしにくくなります。

少し分かりにくいので、人間でたとえてみましょう。

室温25℃の部屋から0℃の冷蔵室に入ったと仮定した場合と同じ状況、と考えてみてください。

急な温度変化についていけず、身体が縮こまって身震いしまいますよね。

pH4に希釈された竹酢液は、冷蔵室と同じ環境となり、マラセチア菌の動きを鈍らせます。

ただ鈍らせることが出来るだけで、死滅することはありません。

また、人の皮膚の最適pHは、4.5~6.5の弱酸性です。

それ以外のphになってしまった場合でも、人間の体には元のpHに戻そうとする修復作用が働くため、pH4の竹酢希釈液に浸かったとしても、時間がたつとpH4.5に戻ります。

ということは、動きが鈍ったマラセチア菌にとっても、最適な活動pHになるんですよね。

竹酢液では、マラセチア菌を静菌(動きを鈍く)させることはできますが、人の肌では時間がたてば活発になるため有効的ではありません。

2.マラセチア菌が死滅する条件は熱湯で30分

熱湯

ではカビであるマラセチア菌を殺すには、どうしたらよいでしょうか?

カビの死滅する条件は2つあります。

1つは、80℃の熱湯であること。

2つめは、30分間浸すことです。

この2つの条件がそろうと、カビであるマラセチア菌は死滅します。

しかし、マラセチア菌は頭皮で生活しているため、2つの条件をそろえてしまったらやけどしてしまいますよね。

そのため、肌を熱湯に浸すことは不可能です。

残念ながら、人の肌にすんでいるマラセチア菌を死滅させることはできないのです。

3.マラセチア菌は菌膜形成を止めて正常活動に戻すこと

問題なのは、マラセチア菌が過活動であること。

ですから死滅しなくてもマラセチア菌の数を正常に戻すことができれば、肌のトラブルはおさまっていくのです。

マラセチア菌が増えすぎる原因の1つに、肌からでるあぶら(皮脂:ひし)が急増してしまうことがあげられます。

ただ皮脂が増える原因はさまざまで、皮脂量をコントロールすることはほぼ不可能です。

それならば、マラセチア菌そのもの活動を抑えることができればよいですよね。

そのためには、マラセチア菌の菌膜(きんまく:マラセチア菌の体を包む膜)形成を妨げることが必要です。

菌膜は、人間にたとえると”筋肉”に当たる部分です。

人間の場合、筋肉を作るために必要な栄養素はタンパク質ですが、マラセチア菌ではエルゴステロールという物質になります。

そのため、エルゴステロールを取り除くことができれば、マラセチア菌は正常活動に戻っていくのです。

マラセチア菌の菌膜に関する記事は、以下でもご覧いただけます。

頭

シャンプー直後にくるかゆみはマラセチア菌が原因!解決方法を紹介

2019年5月18日

4.マラセチア菌に特化した商品を使って炎症を抑える

エルゴステロールを取り除くには、ミコナゾールという成分が必要です。

それが配合されている商品に、コラージュフルフルがあります。

実は私自身長年、フケやかゆみといった頭皮のトラブルに悩まされおり「将来ハゲるのでないか…」という不安を抱えていました。

オクトやメディクイックといった市販薬用シャンプーを使ってみたものの、フケかゆみを止められませんでした。

あらゆるシャンプーをためし続けましたが、市販シャンプーによくある脱脂力の強いラウレス(ラウリル)硫酸ナトリウムやかゆみを軽減するだけのメントールが配合されておらず、なおかつミコナゾールが配合されているシャンプーは、コラージュフルフルだけだったのです。

コラージュフルフルを使ってみたその日に、悩まされてきたかゆみが嘘だったかのようになくなった感動は、今でも鮮明に覚えています。

そして、フケと気になり始めていた抜け毛も3日後には軽減されました。

ちなみにマラセチア菌は、常在菌(じょうざいきん)と言われていて、本来は頭皮を守るために活動しています。

常在菌にはマラセチア菌以外にも様々な細菌類がいますが、その中でもマラセチア菌が頭皮で増えすぎるとフケかゆみをもたらします。

ただし、少なすぎてもほかの常在菌の数のバランスがとれずに、頭皮を炎症させてしまいます。

つまり頭皮を最適な状態を保つには、マラセチア菌を殺菌等で死滅させるのではなく、増えすぎることを防ぐことが重要なのです。

そのためにも、ミコナゾール配合のコラージュフルフルでフケかゆみを止めていきましょう。

また、私は使ったことはありませんが、頭皮以外でマラセチア菌が繁殖してしまった場合、全身に使えて男女ともに使用できるコラージュフルフル泡石鹸が良いでしょう。

なお、以下の記事にて症状の画像を記載していますので、参考にしてみてください。

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5.まとめ

カビでありながら人の常在菌でもあるマラセチア菌は、強酸性の竹酢希釈液で静菌しますが、肌の弱酸性に保つ修復作用で再び活発に動き回り、子孫を残し増殖していきます。

そうなってしまった場合、どんなに清潔にしていてもマラセチア菌の増殖は止められません。

マラセチア菌が増えすぎた場合には、ミコナゾール配合のコラージュフルフルで正常活動に戻して、トラブルに悩まされない肌作りをしていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれの美容師。美容室勤務→会社員を経て、現在はカット専門店で働いています。

美容室で販売しているシャンプーではフケかゆみを治せなかった経験から、独学で学んだ知識をサイトで公開中です。

ふけかゆみ、脂漏性皮膚炎の原因を突き止め、症状に合ったシャンプー・リンスを選んで使い続けていくと必ず頭皮の状態は良くなっていき、髪も元気に戻ります。

あらゆるシャンプーでフケかゆみがおさまらない原因の多くは、頭皮を守るはずの「マラセチア菌」が引き起こしている可能性が高いです。

その場合、2015年から私が愛用している「コラージュフルフル」がオススメです。